糖尿病


検査

血糖値関連の検査
血糖値は、食事を食べたり運動をしたりすることで容易に変動する。
朝起きてから食事を取らずに測定した空腹時血糖と、どんなとき測ってもよい随時血糖が評価の対象である。
常用負荷血糖(普段の食事をして測定した血糖)では、食事開始(はしをつけて)から1時間後のpostprandial glycemia 1hr(PPG1hr)がピークとなることが多いとされ、有望視されている

インスリン分泌能を測る検査
75g経口ブドウ糖負荷試験にて負荷後30分の血中インスリン増加量を血糖値の増加量で除した値をインスリン分泌指数という。
これはインスリン追加分泌のうち初期分泌の指標となる。
糖尿病の初期から初期分泌は障害される傾向がある。
この値が0.4以下が糖尿病型である。
境界型糖尿病の患者でもこの値が0.4以下の患者では糖尿病に進展しやすいといわれている。
II=⊿血中インスリン値(30分値―0分値)(μU/ml)/⊿血糖値(30分値―0分値)(mg/dl)

インスリン抵抗性を測る検査
検査時点の耐糖能障害を示す検査である。
ブドウ糖75gを含んだ溶液を飲み干した後、時間経過に従っての血糖値、尿糖、血中インスリン値などの経過を見る。
国内診断基準ではこのOGTTの2時間血糖値が採用されている。
また、0分~30分の血糖値とインスリンの変動は、日本ではinsulinogenic indexとして知られ、インスリン分泌能の評価に有用とされる(国際的コンセンサスではない)。
75gOGTTではピークが後ろの時間にずれるためPPG1hrとはピークが異なる(ブドウ糖液は吸収スピードが遅い)。自覚症状のある糖尿病の患者では重篤な高血糖を招く恐れがあるため施行するべきではないといわれている。逆にHbA1cは5.8%~6.5%の時は最もよい適応となる

脂質代謝の検査
アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンという3つの物質をあわせてケトン体と呼ぶ。ケトン体は、インスリンの作用不足でブドウ糖をエネルギー源として利用できない時、体が脂肪をエネルギーに変換しようとする結果、発生する。
尿または血液検査で調べられる。
ケトアシドーシスは1型糖尿病で起こりやすいため、1型糖尿病では重要な検査。
また、シックデイ(感染症などの糖尿病以外の病気に罹患して食事もとれないような日を総称的に指す言葉)の時には、ケトン体が増えやすいため、1型糖尿病で体調を崩した時には測定すると状態を自分で評価できる(ケトン体が出ているようなら、インスリン注射量が需要を下回っているので追加で注射したほうがよい)。
最近は、血中ケトン体が測れる血糖自己測定器もある。


(Wikipedia)


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