糖尿病


分類

糖尿病は、耐糖能が低下する機序(メカニズム)によって1型糖尿病と2型糖尿病に分けられる。
また近年、境界型糖尿病も重要視されている。
それぞれの病型によって原因は異なると考えられている。
一言に糖尿病といっても多種多様な病気を含んでいて、本来症候群とでもいうべき疾患群である。
糖尿病患者のほとんどを占める1型、2型の原因については確定的なことは何も分かっていない。
ここでは提唱されている仮説について分類と合わせて述べていく。
1型と2型を除いたほとんどの糖尿病については原因が明らかなことが多い。

・1型糖尿病
1型糖尿病(いちがたとうにょうびょう)(ICD-10:E10)は「インスリン依存型糖尿病」ともいい、膵臓のランゲルハンス島でインスリンを分泌しているβ細胞が死滅する病気である。
ほとんどの患者が20歳までに発症することから昔は小児糖尿病とも呼ばれていた。しかし、20歳を過ぎて発症する例も少なくない。
血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極度に低下するか、ほとんど分泌されなくなるため血中の糖が異常に増加する。
20世紀前半にインスリンが治療応用されるまでは、極度の食事制限を要する致死的疾患の一つであった。
血中に自らの膵細胞を攻撃する自己抗体が認められるものを1A型(自己免疫性)、ないものを1B型(特発性)とする。
飲み薬は無効で、患者はかならず注射薬であるインスリンを常に携帯し、毎日自分で注射しなくてはならない。
インスリンを注射しなければ、容易に生命の危険に陥る。
また、1型糖尿病のなかでも、特に20歳を過ぎてから発症する「劇症1型糖尿病」という数日間でインスリンが枯渇するさらに危険な病もある。
診断の基準としては抗GAD抗体、抗IA2抗体が陽性かどうかが重要である。2型と違い遺伝素因は少ないとされている。
生活習慣病である2型とは違い、1型は生活習慣病ではない。
また1型糖尿病では甲状腺疾患を合併しやすいことが知られているため女性では注意が必要である。(社)日本糖尿病協会では小児糖尿病生活指導講習会(糖尿病サマーキャンプ)を支部などを通じて毎年開催している。

・2型糖尿病
2型糖尿病(にがたとうにょうびょう)(ICD-10:E11)は「インスリン非依存型糖尿病」ともいい、インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病である。
欧米では感受性低下(インスリン抵抗性が高い状態)のほうが原因として強い影響をしめすが、日本では膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因である。
少なくとも初期には、前者では太った糖尿病、後者ではやせた糖尿病となる。
遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病。
糖尿病全体の9割を占める。
基本的には除外診断によって診断していく。
気をつけるべき点としては2型にみえる1型糖尿病が存在するということである。
SPIDDM(slowly progressive IDDM)と言われるものがある。
1型にしては30~50歳で発症と発症年齢が高く、臨床像は2型そのものだが徐々にインスリン依存状態に陥っていく。
こういった患者は抗GAD抗体が持続陽性となっており、検査をしないと1型とわからない。
SU剤が一時期効果あったかのようにみえることもあるが基本的に1型糖尿病であるのでSU剤は進行を進める作用となるので注意が必要である。


(Wikipedia)


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